宮地正仁 インタビュー ②

 

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Q.この仕事で、今までで一番思い出に残った出来事は何ですか?

 

A.
この業界に入って、担当させていただいたご葬儀はそろそろ2,000件近くになります。

印象深く思い出に残るエピソードは数多くありますが、共通しているのは、
故人様とご遺族や、ご縁の深かった方々との絆が強く感じられる場面に居合わせたときや、
そういったお言葉を聞けた時ですね。

ご葬儀は非常にプライベートな事ですので、ホームページに掲載する関係上、
具体的な場面やお言葉をお話ししずらくてスミマセン・・・。

少し具体的にお話しできるエピソードとしては、
やはり東北地方太平洋沖地震が起きた2011年の3月11日ですね。

あの日は当社でも通夜準備の真っ最中で、
ほとんど設営を終えていた生花祭壇は全て前倒しに崩れ、式場常備の飲物類は冷蔵庫から飛出し、
床は割れたビンと中身が散乱するなどの被害に遭いました。

あの地震があったのが、午後3時前後でしたっけ?
お通夜の日は、ご遺族にだいたい4時頃にお集まりいただくので、それはもう大慌てで・・・。

生花業者をはじめとする協力会社と、予定通りの通夜式が迎えられるよう
事態収束にとにかく全力を注ぎました・・・。

無我夢中でなんとか予定通りの通夜式を終えたあとで、地震の全容を知った次第です。

 

Q.この仕事で、困ってしまった事や失敗談を教えてください

 

A.
時々あることですが、ご遺族・ご親族の中に小さなお子さんがいるケースでは、
お通夜でご導師(僧侶)が退席したあと、
ご導師の所作や読経の真似をすることがあります。

木魚や大きなリンを叩きながら、耳で聞きとったニュアンスで
お経を口ずさむお子さんがいたりするんですよ。

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故人のひ孫さんだったりしますし、お子さんにとってはあまりにも非日常的な場面ですから、
僧侶のスタイルや読経、使用する木魚など多分に好奇心を掻き立てる要素が多いですし、
微笑ましい光景ですが、極稀にエスカレートするお子さんがいてビックリすることもあります。

例えば、通夜式を終え、翌日の告別式の朝、開式前の準備や式場の点検を行うのですが、
焼香用のお香が別の場所にピラミッド状に盛ってあったことがあります・・・。

あとは、開式の際にそれまではロビーで歩き回っていたお子さんが、
僧侶の控え室から式場に入場するタイミングになると、
いつの間にか僧侶の後ろに歩調を合わせるかのようにピッタリと付き、
ご遺族や参列者が所定の位置に着席している中を堂々と入場したなんてこともあり、
親御さんは引きつった顔されていたかも知れませんが、
式場内の皆さんは少し笑顔になっていました・・・。

 

Q.いつもお仕事をされる際、一番気をつけていることは何ですか?

 

A.
打合せの場面で先にお答えした内容と重複しないよう表現を変えるとしますと・・・、

故人は故人にしかない人生を歩んでこられたはずです。

しかしながら葬儀に参列する人が感じることは、
「どこの葬儀に参列しても大した変わりはない」というもの・・・。

これは、葬儀に関するアンケート調査のデータでそんな声も少なくないよと、
同業他社の知り合いから聞いたことがあります。

葬儀は全国各地、地域や習慣、宗教など、また葬儀社によっても異なりますが、
アンケート調査の声は特に祭壇やそこに付随する装飾部分を指していると思われます。

この原因はやはり、葬儀社が提供する葬儀プランの選択肢が少なくて、
パック料金化していることにあると思います。

どのご葬儀を見ても、同じような祭壇やパターン。

葬儀社のほうも、本音を言うとそのほうが楽なのです。
同じパターンを繰り返し他のお客様にあてはめていればいいのですから、
頭も使いませんし、新人でも担当できますしね。

でも、それだと「葬儀をあげた」という形だけは整いますが、
「故人様のために」「故人様ならでは」といったご葬儀にはどうしてもなりません。

それで本当に意味があるのか?ご葬儀ってそもそもなぜ行われるのか?

当社では、いつもそれを意識し、注意して心に呼び起こすようにしています。

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人には様々な人生があるように、ご葬儀もありきたりではなく、
オリジナリティが感じられる。

オンリーワンのご葬儀のお手伝いができるよう、当社では心がけております。



Q.具体的には、例えばどんなことをするのですか?

 

A.
本当にケースバイケースなので、全部お話しすることは難しいのですが、
一例を挙げますと、思い出コーナーの設置とメモリアルDVDをモニターで上映するなどは、
どんなご葬儀でも無償で行なっております。

思い出コーナーやDVDの内容はそれこそ千差万別、ほんとうにオリジナルですよ。

 

Q.いつもお仕事をされる際、一番嬉しい、やりがいを感じる事は何ですか?

 

A.
ご葬儀執行後にご遺族から「ありがとう」のお言葉をいただくと、
「仕事冥利に尽きる」の一言ですね。

この仕事に携わった当初から今も変わりなく、
仕事への情熱を掻き立てるエネルギーの源になっています。

 

Q.簡潔というかありきたりというか・・・(笑) 他に何かないですか?

 

A.
そんな、本当にそうだからしょうがないですよ(笑)

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でもまあ、他に挙げるとするなら・・・そうですね。

当社の協力会社である生花業者、返礼品会社、仕出し料理屋さんなどは、
当然ですけど、当社以外の葬儀社とも広く取引を行なっています。

ですので、身近で取引会社である葬儀社を客観的にも見ることができ、
比較することも容易なんですよ。

Aという葬儀社は良いなとか、Bという葬儀社はぼったくりだなとか・・・、
目の前で毎日見られるわけですよね。

そんな中で、協力会社のスタッフの方から親戚のご葬儀の依頼をいただいたり、
身内がもしもの時は頼むと相談を受けたりすることがありますが、
その時は当社が選ばれたことについて率直に嬉しいですね。

 

Q.いつもお仕事をされる際、一番疲れる、大変だと思うことは何ですか?

 

A.
ご葬儀はやり直すことの出来るものではありませんので、失敗やミスは許されません。

ご葬儀全体を通しては手配段階だけでなく、
運営面においてもミスに繋がる懸念材料は山ほどあり、時折もしここでこうなってしまった場合は、
などと想像すると身震いしてしまうこともあります。

ですが、こういった「恐れ」は必要だと思っているんです。

ご葬儀という、非常に特殊な場面でも、業務として経験を積み重ねていくに従って、
良くも悪くもご葬儀というものに「慣れ」が生じます。

これが非常に危ないんです。

どんなに自分が経験豊富でも、故人様とご遺族にとってご葬儀はたったの1回きりのもの。
「慣れ」ちゃいけないんです。

当社では、担当者全員が経験を積み重ねていく中で、失敗を未然に防ぐには、
どんなにベテランになってもこの危機意識を持ち続けることが大切だと考えます。

大変だと捉えるとそういった部分もありますが、やりがいに繋がることの方が上回りますね。

 

宮地 正仁 インタビュー③へ続く

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