Q.どういうきっかけでこのお仕事に就かれたのですか?
A.
私が、高校3年生で就職先を決める頃、就職氷河期まっただ中でした。
どんな会社に就職するのも大変な中で、
どうしても「人にかかわる仕事」「サービス業」にこだわって、就職先を探しました。
そんな中、葬祭業という高校3年生の私にとっては
生活の中で触れたことのない職種に興味を持ち、調べたり、会社で話を聞くうちに、
「これは究極のサービス業だ!」と思い、就職を決めました。
Q.この仕事に就く前と、就いた後で、「印象が変わった事」「思っていたことと違った事」を教えてください。
A.
就職するにあたって、入る前の印象は、なんか職業柄暗い職場なのかと・・・。
就職してみて、意外と女性が多く働いていることにびっくりしました。
きめ細やかなサービスには、女性は不可欠なのかもしれないですね。
Q.葬儀屋さんて、具体的にはどんなことをするお仕事なんですか?
A.
かっこよく一言でいえば、人生のラストステージの総合プロデューサーです。
基本的にはご相談から死後手続きのお手伝いまで何でもこなしますが、
女性目線でのお仕事といえば、ご葬儀中は、御喪家へのケアや湯茶の接待、司会業務などですね。
ご葬儀後は、各種手続きや法要のお手伝いなどです。
Q.この仕事で、今までで一番思い出に残った出来事は何ですか?
A.
初めての契約デビューです。
たまたま私と同じくらいの年代の方が喪主を務めていらしたので、さらに印象深く残っています。
お父様を亡くされたのですが、精一杯やってあげたいという気持ちが強い方で、
何とかその気持ちが形になるように担当として必死だったのを覚えています。
終わった後に、本当にありがとうございましたと言っていただいた時には、
心からほっとしました。
Q.この仕事で、困ってしまった事や失敗談を教えてください。
A.
2011年3月11日の東日本大震災の日のことで、今でも鮮明に覚えています。
その日はお通夜が入っていて、もう少しで準備も終わるかなと思っていた矢先のあの地震・・・。
あの揺れでしたので、祭壇が倒れ、式場の飲み物は散乱し、すさまじい状況で、青ざめました。
しかしその後、奇跡的に各関連業者さんへの連絡が、なぜか会社の電話だけ通じて、
祭壇の組み換えはもちろん、すべての準備が出来ました。
御喪家も「どうなるかと思ったけど、葬儀ができてよかった」と
おっしゃっていただけたので良かったですが、こんな大きい地震は経験がないし、
想定をしていなかったので、これがお式の最中であったらと考えただけで背筋が凍りました。
この経験を活かして災害に対しても危機管理をきっちりしようと思いました。
Q.いつもお仕事をされる際、一番気をつけていることは何ですか?
A.
御喪家様は、ご親族やご会葬の方にと、色々葬儀中に気を回されることが多くなります。
そんな中で、私たちスタッフが御喪家のお気持ちを先回りして察知し、
負担が少しでも軽くなるように心がけています。
Q.いつもお仕事をされる際、一番嬉しい、やりがいを感じる事は何ですか?
A.
「本当にありがとうございました」と言われた時は、疲れも吹き飛びます。
ご葬儀というと、決して安価な料金ではないと思いますが、
お客様からありがとうと言っていただける職業ってなかなかないと思います。
やってて良かったと思う瞬間ですね。
Q.いつもお仕事をされる際、一番疲れる、大変だと思うことは何ですか?
A.
気を付けているつもりですが、風邪をひいてしまった時です。
お打合せなどで話している時間が長くなってしまい、
せき込んでしまったことがあるのですが、コントロールできないだけに、大変でした。
Q.あなたが考える、「理想のご葬儀」とはどんなものですか?
A.
より故人らしいご葬儀、宗旨宗派の縛りもありますが、
その中でどれだけ故人らしいご葬儀ができるのかということが、残された家族にとっても、
とっても良いグリーフケアにもつながると思います。
事前相談がもっと普及して、自分の葬儀は自分で演出するなんて時代が来て、
もっとオープンな感じになると良いと思います。
Q.葬儀会社や葬儀業界は、今後社会のためにどうになっていくべきだと思いますか?
A.
これまでは、ご葬儀だけのつながりでしかなかった葬儀社ですが、
これからはもっと、ご葬儀以外でのつながりが必要だと思います。
最近ではマスコミなどで、孤独死について触れられることも多くなり、
ご葬儀を終えて一人暮らしになってしまう方や、現在一人暮らしの方が心配されて、
「葬儀をやってほしいけど、身寄りがいなくてもしもの場合どうなるか心配だ」と
ご葬儀の相談をされることがあります。
身寄りがいない場合、行政での葬儀となりますが、
火葬だけという悲しい最後になってしまうのが現実です。
そんな不安を少しでも減らすために、ご葬儀後のアフターケアや後見人の紹介など、
ご葬儀以外のつながりを持つことにより、
葬儀社をより身近な存在に感じていただければいいと思います。
Q.ご趣味や好きな事、得意な事は何ですか?
A.
ビーズでアクセサリーを作ったり、スワロフスキーで色々なものをデコレーションするのが好きです。
没頭すると、一日中黙々と作業をしています。
Q.お休みの日は通常、どんな過ごされ方をしますか?
A.
ショッピングやドライブで気分転換していますね。
Q.小さい頃や学生時代はどんな子でしたか?
A.
いろいろなことに挑戦するのが好きで、周りの友人がやることは、
とにかく自分でもやりたくなってしまう感じでした。
例えば、もう昔の話ですが、サーフィンも、スケボーも、スノーボードも、ボディボードも、
ひととおり経験した感じです。
ミーハーっぽくて印象悪いですかね?(笑)
でもほんとうに好奇心旺盛だったんですよ。
Q.遠い将来ですが、ご自分のご葬儀はどんなご葬儀にしたいですか?
A.
食事をするのが大好きなので、友人知人を呼んでビュッフェ形式のパーティーのような葬儀がいいですね。
涙もろいので、湿っぽいことは無しにして、私らしい明るい葬儀にしたいです。